今回はご自宅を売却されたいご年配の方の物件です。

販売現地で広告の設置をしていたところ、ご年配の男性に声をかけられました。

お一人でお住まいで、ご兄弟を頼って遠方に暮らしたいので家を売りたいです。とのこと。

ふと拝見すると角地!?💛

喜んだのもつかの間、なんか違和感。。。なんで軽自動車が道路にはみ出してるんだろう。。。

ご自宅の中も拝見しました。なんか妙に広い。「増築。。。されてますよね?」

(写真はイメージです)

その後お持ちの書類を写真で撮影させて頂き、いったん持ち帰る事に。

売却価格は結構な額をご希望されている気配

しかし帰社後に良く見た書類には「土地63.4㎡(約19.17坪)」でーすーよーねー

う~ん。。。これが都心ならばありの面積ですが、ぶっちゃけ超が付くほどの「ど田舎」近隣では60坪位で新築ってのが売れ線
40坪位だと狭いとか言われてしまいます。

さらに建蔽率40%・容積率80%の地域です。63.4㎡では1階部分は25㎡程度の部屋しか作れません。
確かにその面影はありました。1階はキッチンと水回りのみ。2階は階段上がった部屋のみ。それ以外はすべて増築のようです。

大工さんにあーしてもらった、こーしてもらったと意気揚々と話しをする年配の男性。いや、、それ建築基準法違反ってやつですからね。心の中でつぶやきます。

お客さんにやってくれと言われれば個人経営の大工さんはお金になるので断ったりしません。

ちなみに建物は古いものの、手入れが行き届いており使えそうではありますが。。。。

もし買主が現れたとしても登記が移動したとたんに市役所が調査に来ます。実際私が築49年の物件を購入した時も調査に来てました。

違法建築物とわかれば是正を要求されますし、もしそれができないなら固定資産税が跳ね上がる可能性があります。

再建築とは言っても狭小住宅しか建設できません。

何千万円もかけてど田舎で狭小住宅。。。近隣には注文住宅よりはるかに安い建売が乱立している地域でもあります。

現実的にはあり得ないので、今回はご希望価格はでないと言う事でお断りする事になりました。

男性は知り合いの不動産会社に何度も連絡しているが電話に出ないと言ってましたが、まあそうでしょうね(笑)

手間がかかる割に全く儲からない案件なのです。ほぼボランティアです。真摯に向き合えない不動産屋は無視を決め込むことでしょう。

しかも!男性は売却した資金で次に住む借家をご希望です。えー、民間でそのご年齢で年金受給者に貸してくれるんでしょうか

一応アドバイスとして、遠方にお子さんがいらっしゃるのか聞いてみたら、お兄さんがいる。住むはできないが泊まる事はできる。とのこと
私からは、年齢が上がると部屋が借りずらくなりますから、次に住まれる部屋を確保してから売却された方がいいですよ。と伝えておきました。

という事で、建築基準法を無視して自分の土地だから何してもいいって方もいらっしゃいますが、法律を守らないと後で物件を処分できなかったりする事もある。という事例でした。